2024年9月8日(日)、多摩大学「ジェロントロジー企画」 第13弾「山梨県南アルプス市で稲刈り×講座」を実施しました。本企画は、「多摩大学 寺島実郎監修リレー講座」の受講者を対象に、農業体験を通してリタイア後の世代が新たな社会参画を考える企画として2017年より開始したもので、今回で13回目の実施となります。
はじめに、これまで農業体験でお世話になっている農業体験民宿「南アルプスサンクチュアリガーデンハウス」で稲刈りの準備をして棚田へ向かいました。第12弾(2024年5月)の企画において植えた苗が田んぼ一面に実った稲として広がっている光景をいざ目の当たりにすると、参加者の気分も高揚していきました。
作業中は、晴天に恵まれるも照りつける太陽の陽ざしは厳しく、参加者は大粒の汗を流しながら刈り取りを行いました。刈り取った稲は麻縄で縛り、陽に当て干して乾燥させる「はざかけ」を行うため、「うし」と呼ばれる器具を組み立て、干していきました。こうした一連の作業を一般参加者、学生、教職員で力を合わせながら行いました。
その後、疲れた体を癒し、汗を流すため「やまなみの湯(南アルプス市交流施設)」へ移動しました。温泉につかった後は、「fumotto(フモット)南アルプス」に移動し、昼食をとり、講座を受講しました。fumotto(フモット)は、南アルプス市の魅力を発信する体験型複合観光施設として、2024年6月にオープンした施設です。山梨の食文化と農業の魅力を発信する「ファーム・ベース」、南アルプスでのアウトドアの魅力を発信する「マウンテン・ベース」、山梨の暮らしや文化を発信する「ローカル・ベース」の3つのゾーンにより構成されており、山梨の魅力を広く伝えています。昼食は、ファーム・ベースのブッフェレストランfumotto DININGにて、採れたての新鮮な野菜が豊富に揃うメニューを、美味しくいただきました。
引き続き同会場にて、南アルプス市教育委員会文化財課のご協力により「フモットの下に眠る弥生時代から現代まで2千年の歴史~最新発掘調査による交流の歴史~」をテーマに講座を受講しました。フモットが建つエリアは南アルプス市内でも遺跡が最も集中する区域で、建設される前には広大な面積の発掘調査が行われました。弥生時代から現代にいたるまで、発掘された土器等の現物も手に取って見学させていただき、信州、駿河との交流の歴史についてお話しいただきました。
まだまだ残暑の厳しい中、長い一日となりましたが、生産活動を経験し、歴史と文化を学ぶ充実した時間となりました。