「ジェロントロジー」をご存知ですか。

ジェロントロジーは、高齢化社会工学という学際的学問です。人生100年時代と言われる異次元の高齢化に対して、広い視界から社会総体のあり方、人間の生き方を探り、新しい社会構想を提起するものです。

ジェロントロジーは高齢者の学問ではありません。今の高校生の半分以上は100歳まで生きると予想されており、これから80年以上の人生をどう生きていくかという若者の身近な学問です。それは「志」なくして虚ろに過ごしていくにはあまりにも長い時間です。

志とは、単なる夢や憧れではなく、しっかりと社会に貢献することにより自己実現しようという意志です。社会活動を通じて人の役に立ちたい、社会にある理不尽を解決に導きたい、その実現のために自分をぶつけたい、そのような思いこそが志です。

あなたは人生100年時代をどう生きるのか、それを支えるあなたの志はどのようなものか、それを文章にまとめて私たちに教えてください。言葉にして強い想いを私たちに伝えてください。そうすることで、まだぼんやりとしている自分の考えがもっと明確になるでしょう。しっかりとした覚悟が決まるかもそれません。これから自分の生きていく方向が見えてくることでしょう。

もちろん、これから生きていくうちに、それが変化して構いません。考え方は時代や環境とともに変化するものです。今、あなたが抱いている若者らしい意志をぜひ聞かせてください。

多摩大学は、学生の志を育み、ジェロントロジーに取り組んでいます。多摩大学高校生小論文・スピーチコンテストを、みなさんが社会や自分を振り返り、よりよい社会に向けて一歩踏み出す機会にしてほしいと思います。

高校生小論文・スピーチコンテスト実行委員長
多摩大学 経営情報学部長　杉田 文章