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韓国研修(EJC外国語学院)レポート
経営情報学部 男 H.Y. (2016年度春休み)
2017年12月8日
● 留学の振り返り
私は3月5日~3月11日まで多摩大学の海外研修プログラムで韓国に滞在していた。就職活動もまだ始まっておらず比較的時間がある大学2年生の春休み、そして春学期に成績優秀者になって頂いた奨学金があったというのもプログラムに参加したキッカケではあるが、このプログラムに参加した理由は、主に次の2つである。
1つ目は韓国という国をこの目で見て、雰囲気・人柄・文化を感じてみたかったからである。私はサンリオピューロランドでアルバイトをして2年の月日が経った。詳しいことはあまり書けないが、海外から来てくださる方が大勢いて、その大半を占めるのが韓国や中国の方である。その国のこと、その国の人たちの考えや習慣を理解でき特徴をつかめれば、より良いサービスやおもてなしができて、満足度を高めることができるのではないかと考えたからである。
2つ目は海外に行って自分の世界を広げてみたいと思ったからである。生まれてから1度も海外に行ったことがなく海外のことはメディアや友人からの情報から想像するしかなかった。自分の世界を広げ、考えを豊かにする、日本の普通が海外では通用しないことを経験し凝り固まった思想を壊してみたかったからである。以上の2つが今回のプログラムに参加した主な動機である。
約1週間の間、1日1日が本当に充実していてここに全てを書き記して日記のようにしてしまいたいくらいだが、レポートなので要約する。
成田空港から2時間40分のフライト時間で仁川空港に到着。宿泊先がわからず入国審査で止められかなり苦労したり、気温が非常に低く昼に到着したのに息が真っ白で寒い思いをしたりとかなり印象深いスタートだった。
滞在期間中、自由行動(街中で関わった人)や現地の学生との交流で気づいたことだが、韓国の人は気さくで誰にでも話しかけに行く人が多いなと感じた。日本人に多いシャイであまり自分からは人と関わらないような感じが韓国の人からは見受けられなかった。自分から話しかけに行く、そしてしっかりとありがとうと感謝の言葉を伝える。そんなシーンを何度も見かけた。
韓国の電車に交流会で仲良くなった現地の大学生と乗っている時に忘れられない出来事があった。電車の中はやや混雑していて座る座席がなかったため、座席の前にぶらさがっているつり革につかまりリュックを背負ったままだと周りの人の邪魔になるので片手で持って乗車していた。すると私の目の前に座っているお母さん(60代くらい)が私のリュックを指さして韓国語で喋りかけてきて持ってあげるというようなジェスチャーをしてきた。いきなりのことだったので私は少し驚いたがせっかく声をかけて頂いたので持っていただくことにした。目的地までの15分ほどそのお母さんは私のリュックを抱きかかえてくださった。
どのようなことをお母さんが言っていたのかが気になり、お礼を言って電車を降りた後、一緒にいた大学生に聞いてみると「重そうだね、持ってあげるよ。昔はこんなことみんなやっていたわよ。」と言っていたようだ。その優しさに私は涙が出そうになった。世界一優しくて思いやりのあるのは日本人だと思っていた自分がちっぽけにみえて、世界にはすごい人がたくさんいるのだと実感したからだ。
その他にも韓国の男性はとても紳士で女性を大事にする、そこに一切恥ずかしいという感情はなく、いかにもそれが普通といった表情で振る舞っていた。優しくて積極的な人が多い良い国だと感じた。
おいしくて安いグルメがたくさんの韓国。なんと1週間で3キロも太ってしまった。値段が安いのでついつい食べてしまうし量も日本より多い。食べることが好きな私にとっては最高の期間だった。また味付けも日本人に合っているし、お米もしっかりと食べられるので日本食が恋しくなることは一切なかったが、韓国の辛さには驚いた。ほとんどの料理は優しい味わい(若干薄いと感じることも)だが、辛さに関しては全く優しくない。辛い料理や本場韓国のキムチになれるには少し時間がかかったが、どうやらクセになったようで帰ってきた今はその味がとても恋しい。
たくさんの観光地や朴大統領の弾劾裁判のデモなど日本では見ることができないこと・ものを見てきたが、一番印象に残っているのは現地の学生との交流会だ。初日に高校生、4日目に大学生との交流会があった。5人の高校生のうち3人は流暢に日本語を話しその他の子も私たちが話す日本語を聞き取って理解していた。それだけでかなり驚いたが、考えがしっかりしていて途中高校生ということを何度も忘れたほどだ。とても仲良くなり夜の自由時間に集まって、街中を案内してもらい、カラオケに行き日本の曲を歌ったり韓国の曲を歌ったりと現地の人がいるからこそできる楽しい時間を過ごすことができた。その後オシャレなカフェで日本のこと韓国のことについてお互い気になることをとことん話して、気づくと3時間も経過していた。それほど夢中になって話していた。
大学生との交流会では言葉が通じなくてもちょっとした日本語や韓国語、英語やジェスチャー、携帯の通訳機能を使えば会話できて楽しめることを学んだ。夜ごはんも一緒に食べてお酒も飲みながら同世代ならではの仲が良い関係を築くことができ、いまでもSNSで繋がっている。韓国の徴兵制についてのリアルな声が聞けたのもいい経験だった。つい先日、その友達の誕生日にFacebookでメッセージを送り祝うことができ、海の向こうにいる友達という感覚が自分にとってとても誇らしかった。旅行では味わえない多くの人との交流こそこのプログラムの大きな魅力ではないだろうか。
今回、人生で初めて海外に行ったわけだが言葉がほぼ通じない不安と相手が何を言っているのかがわからない恐怖を感じた。料理の注文も一苦労、行き先を尋ねるのも一苦労。日本にいたら味わえない数々の経験ができた。私の得意とするコミュニケーションが使えないとも最初は思った。しかし、言葉の会話だけがコミュニケーションではないことが今回の韓国研修でわかった。笑顔でニコニコしてれば相手も笑顔を返してきてくれて距離が縮まり、そこからジェスチャーなりカタコトの言葉なりでさらに距離が縮まっていく。高橋優という歌手が歌っている福笑いという曲の中に「きっとこの世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔だと思う」といった歌詞があるがまさにその通りだと思った。
私は韓国語をほぼわからない状態で韓国に行った。覚えていった言葉は「アニョハセヨ(あいさつ)」と「イゲチェゴ(これ最高)」と「アジュマシッソヨ(とても美味しいです)」の3つだけ。とにかくこの3つを乱用した。そして途中覚えた「カムサハムニダ(ありがとう)」。飲食店に入ってご飯を食べると必ず、アジュマシッソヨとかチェゴと店員が近くに来た時わざと聞こえるような声で言ったりした。ほんとに美味しかったというのもあるが、外国人が自分の国の食べ物をうまいうまいと食べていて悪い気はしないだろう。その心理的なこともあり、そのような行動をした。それを聞いた店員は必ずニヤッと笑ってこっちを見てくれた。帰り際はごちそうさまを言って店を出たがほとんどの店員が笑顔で見送ってくれたことから距離が縮まったのを実感した。
少し話は変わるがホテルでの朝食にまつわるエピソードがある。一緒に行った女子メンバーはコンビニで朝食をとっていたが、私はそれでは足りないのでホテルで朝食をとることに。初日はシステムがよく分からず、朝食のとり方がわからなかった。そこで私は勇気を持ってフロントの人に満面の笑みで聞いてみることにした。相手はもちろん韓国人、言葉はわからないから愛想だけでもよくいこうという考えだった。奇跡的にフロントの女性が日本への留学経験を持つ方(単語が少し話せる程度)だったのでなんとか無事に朝食をとることができた。そこでも感謝の気持ちを込めてアジュマシッソヨとレストランのスタッフとフロントのスタッフに声をかけた。すると次の日からどちらのスタッフも私を見ると声をかけてくれるようになった。何を言っているかはわからなかったが、何か笑顔で言っていたので私も笑顔でうなずいた。
これらの出来事からわかったのが、相手の国を理解し認めることの重要性。自分のことを理解してくれたら誰でも嬉しいし、逆に相手のことを理解しようと努力するようになる。自分のことを認めることは確かに大切なことだ。しかしそれ以上に自分以外を認めることの方が重要であるし認めることができるのはある種、強さであり余裕であると私は考える。
今回、韓国に行ってみて文化、習慣、食などをじっくりと味わうことができた。たくさんの人と関わり、私が想像していた韓国の人のイメージより実際の韓国の人の方が優しくとても素敵な笑顔の人が多かった。自分の知らなかった少しブラックな世界(コピー商品の市場、乞食、日本では見られないデモや暴動)も見ることができ、自分の世界が広がった。それと海外に行った時の不安感は日本に来ている外国の方も同じ。これからは自ら進んで歩み寄っていくことを決意した。
● これから留学をする方へのメッセージ
今回、私は話したこともない女の子4人と男1人という客観的に見たらかなりアウェーな状況でプログラムに参加しました。私自身はまったく気にしていませんでしたし、話せばすぐ仲良くなれるだろうとかなり楽観的に考えていました。実際その通りにすぐに仲良くなれました。一緒に行く友達がいないから不安と思っている方は考えてみてください。参加者は海外に行こうとするアクティブな人たちです。仲良くなれないわけがありません。海外はフレンドリーな方が多く、現地の学生との交流会に参加してもすぐに友達ができます。日本では経験できないことがたくさんあります。留学しようか迷っているそこのあなた!あなたの悩んでいることは本当にちっぽけなことです。留学しましょう!まだ見たことがない世界がそこにはあります!!