大学概要
TOP 大学概要教員情報(業績公開)良峯徳和
教員紹介(業績公開)
プロフィール
リーズ大学(イギリス)哲学部修士課程修了。筑波大学大学院哲学思想研究科博士課程哲学専攻単位取得満期退学(文学修士)。2002年東京工業大学社会理工学研究科博士課程終了(学術博士)。1993年より、湘南国際女子短期大学英語学科専任講師。2007年4月より多摩大学グローバルスタディーズ学部准教授。
学位 学術博士
良峯 徳和の志
「一期一会」という気持ちを忘れず、めぐりあった人たちや物事に真心をこめて接していくことです。
良峯 徳和の志 詳細版
多摩キャンパスの101教室への入口のすぐ脇に坂村真民さんの「二度とない人生だから」という詩が飾ってあります。
そのなかにつぎのような節がありました。
二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに
できるだけのことをしよう
貧しいけれど
こころ豊かに接してゆこう
二度とない人生だから
つゆくさのつゆにも
めぐりあいのふしぎを思い
足をとどめてみつめてゆこう
ここに謳われているいるように、「一期一会」という気持ちを忘れず、めぐりあった人たちや物事に、できる限り真心をこめて接していきたいと思います。101教室の前を通りかかったら、ちょっと立ち止まって、この詩を味わってほしいと思います。
良峯ゼミの志
~どんな人材を育てたいか~
脳波の測定を通して、心の動きや働きを定量的にとらえるという大胆な試みにチャレンジします。
そのなかで、科学的な実験の手続きやルールを遵守することの重要性を学び、データ処理や統計的解析の基本を学習します。ゼミの仲間たちと切磋琢磨しながらプレゼンテーション能力を高め、計画を立案し、最後まで実行する実践力を培います。
良峯ゼミの志 詳細版
良峯ホームゼミは「エンターテイメントを科学する」というゼミテーマを掲げています。
エンターテイメントには暇な時間を満たしてくれるというだけでなく、人生でのごたごたや仕事の疲れを癒し、再び困難に立ち向かうための力やエネルギー、人生に立ち向かう勇気や希望を与えてくれるという役割もあります。働きすぎが指摘され、高齢化が進行する現代にあって、エンターテイメントの果たすべき役割や意味はますます大きく、重要になってくるでしょう。
とはいえ、「エンターテイメント」とは何か、何かを「楽しむ」「夢中になる」「感動する」といった心の状態やその影響力、可能性については、科学的にまだほとんど解明されていないのが現状です。このホームゼミでは、何かを「楽しむ」「夢中になる」「感動する」などの心の状態が、科学的に見てどんな状態なのか、どんな影響をもたらすのかなどを、おもに脳波計を用いて定量的に分析することに挑戦します。心を科学的、定量的に測る方法としては、アンケートや病院などで脳の診断に用いられるfMRI装置を使った「磁気共鳴機能画像法」、NIRS装置を使った「近赤外分光分析法」などもあります。しかしながら、脳波計の低価格化などに伴い、近年、脳波計を用いる方法が、手軽に心の状態をモニターするセンサー機器として急速に普及しつつあります。脳波によるモニタリングは、「非侵襲的検査」といって、被験者を傷つけることなく安全に実施することのできる測定方法なので、手順をしっかりと遵守すれば、誰でも行うことができるというのも脳波計の魅力のひとつになっています。
通常の状態では決して目に見えない心の状態の変化を、脳波計を通して見ることができるというのは、心の神秘を垣間見るようで、とても興味をそそられます。しかし実際には、脳波計から次々と生み出される電気的出力はとても不安定で、曖昧模糊としたものです。そこには脳細胞の活動電位以外にも、皮膚や筋肉、周囲の電源などに由来するさまざまな雑音が含まれており、脳の活動状態だけを取り出すことは簡単ではありません。
そこで必要となるのが、さまざまなデータ解析の知識と技術です。いったんコンピュータに取り込んだ雑音まじりの脳波データから、数値解析ソフトウェアを使って何層ものフィルタリングや解析を行って、徐々に脳細胞の活動のみに由来する電気信号を抽出していきます。このホームゼミでは、こうしたデータ解析のために必要な知識や技術も、実際の経験を積みながら楽しく覚えていきます。
実際にいろんな人の脳波を図ってみるとわかるのですが、脳波の変化には個人差やそのときどきの体調や機器の状態などによって、かなりのばらつきがみられます。みんなが同じように「楽しい」状態だと報告しても、その脳波の状態は千差万別で、「楽しみ」に伴う明らかな特徴は簡単には見つけられません。けれども、何人もの被験者に対して、同様の状況における脳波の変化を数多く集めてみることで、全体としての傾向を見出すことができます。
なかには例外的なケースもありますが、脳波にある特徴的なパターンや傾向がみられることが分かれば、心の状態と脳波との関係を明確にするうえでとても役に立つでしょう。そのために、このホームゼミでは実験データに対する統計的な処理の方法についても学びます。統計的な考え方や解析手法を身に着けることは、マーケティングやさまざまな社会的調査の基本なので、ぜひこのホームゼミでの学びのなかでしっかり自分のものにしてもらいたいと思います。さらに一歩先へ進みたい学生は、最近話題の機械学習(ディープラーニング)の手法を使って脳波の特徴を抽出する試みにも挑戦してほしいと思います。
このホームゼミでは、各自の立てた実験テーマにそって実験計画を立案、実行し、その成果をゼミ内外の研究発表会で発表します。自分が知りたいこと、研究してみたいテーマについては、数多くの先行した研究成果がさまざまなところで公開されています。こうした先行研究についてインターネットなどであらかじめ調べて、知っておくことは、実験計画の立案、実行を効率的に進めるのにとても大切です。実験の際に注意すべきこと、工夫すべきことなど、先行研究には役に立つノウハウが数多く含まれています。このホームゼミでは、自分のテーマについて研究を進める際、必ず類似した先行研究を参考にする習慣を身に着けてほしいと思います。
研究成果のまとめ方やプレゼンテーションのやり方については、ホームゼミのなかで予行演習をして、アドバイスをしたり、足りないところを助け合ったり、先輩方や同級生たちの研究発表をよく見て、資料のまとめ方、話し方、発表の態度など、良いところを互いに学びあうようにしましょう。
繰り返していいますが、このホームゼミのテーマは「エンターテイメント」です。ぜひ自分の好奇心を大きく羽ばたかせ、熱中して勉強・研究できる対象をテーマとして選んでください。脳波を使った研究は、まだ始まったばかりで、その適用範囲、応用範囲はまだまだ未知数です。ゲームや映画、音楽など、一般的なエンターテイメント体験の分析だけでなく、食べ物やファッション、デザインなど、さまざまな商品に対する評価分析にも応用が可能です。また、脳波を使ってゲームやパソコン、ドローンなどを操作するBMI(ブレイン-マシーン・インターフェイス)と呼ばれる分野でも今後発展が期待されています。脳波については、ほとんど知らないことばかりでしょうが、ぜひ好奇心パワーを最大限に発揮して、新しいこと、困難なことに挑戦してもらいたいと考えています。そしてエンターテイメントの力をしっかり活かして社会人として活躍し、将来の健康で幸せな社会づくりに一役買ってもらいたいと願っています。
ゼミ紹介動画
学部担当科目
Webデザイン、Webプログラミング入門、社会心理、スタディースキル入門、ビジネス数学基礎、ビジネス数学実践、プレゼミ、ホームゼミ