ゼミ力の多摩大

『論語』を読む。

スタートからの10年ほどは、15名前後のゼミ生が在籍していました。しかし、ゼミ単位の必修化が実施されるとともに、ゼミから脱落する学生への救済措置が必要となりました。そこで、ゼミ単位代替救済科目「卒業課題制作」が開設され、当該科目を担当することでゼミ担当教員を離れることとなりました。その後、「ゼミ中心大学宣言」と同時に、ゼミ単位の選択への回帰が行われました。しかし、この方針のもとでは、当時盛んであった「ゆとり教育」と同質の問題（元来エリート教育として展開される教育方式を全員に必修化することから来る学力低下など）を生じることが想定されました。そこで、基礎学力を育てる科目に力を注ぐため、積極的なゼミ生募集を控えることを続けてきました。結果として、ここ数年のゼミ生は、何らかの理由で履修を希望した数名に止まっています。

『論語』述而編にある「自行束脩以上、吾未嘗無誨焉」の心持ちでおるべく心がけてはおります。がしかし、すでに「不知老将至也」となりつつある現実のもと、願わくば「發憤忘食、楽以忘憂」である学徒を前に「不憤不啓、不悱不發」の姿勢で臨みたいものです。