2023年7月10日(月)、リチャード・メイ・ジュニア在大阪・神戸米国総領事が多摩大学グローバルスタディーズ学部を訪問し、講演を行いました。講演では、2023年5月の広島G7サミット、長きにわたる米国外交官生活および海外勤務地での豊富な経験などについてお話しいただきました。当日は、学生、教職員をはじめ、藤沢地域の高校の先生方、行政関係、地域の方々などが参加しました。
メイ総領事は今回、日本勤務が4回目となりますが、ウクライナのゼレンスキー大統領の広島G7サミットの特別参加が、36年間の外交官生活の中で最も記憶に残る、思い出深い滞在だったとのことでした。
G7 サミットの前に米国代表約1000人に対してメイ総領事が挨拶を行い、「歴史」を知ることの重要性について述べ、日本人にとって広島はどのような意味を持っているのか理解して対応する必要があると伝えました。さらに、アメリカ人として広島でのサミットを経験できたことは、米国代表として自分の人生にとって特別な意味があり、人間的な成長ができた機会に恵まれたとのことです。このような機会に巡り合えたことに関して感謝の気持ちが節々に強調されていたことが印象的でした。
講演では、米国大統領の車列(47台)の車について親しみを込めて「ビースト」(Beast:獣)と呼び、大統領専用車は常に2台使用し、どちらに乗車しているか分からないようにしているとの秘話もお聞かせいただきました。さらには通信用のビーストやメイ総領事のビースト、大統領専用機のエアーフォースワンが米海兵隊岩国航空基地に待機していたことなどもお話しいただきました。
今回の講演は、リチャード・メイ総領事と本学安田震一研究開発機構長との長年にわたる交流から実現いたしました。二人はコロンビア大学院のオリエンテーション初日(1983年8月末)に出会い、その後院生時代はメジャーリーグの試合観戦などスポーツを通した交流や、ジャパンセンターで日本映画を共に鑑賞したりすることで交流を深めました。大学院修了後、メイ総領事はエド・コッチ ニューヨーク市長(当時)の補佐官を務め、東京・ニューヨーク姉妹都市提携25周年記念(鈴木俊一東京都知事、当時)のために来日した際、東京で再会を果たしました。
本講演はグローバルスタディーズ学部のキャンパスで、次世代の若者や近隣の皆様にお話ししたいと2020年に実施予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で見送りとなってしまい、今夏ようやく実現を果たしました。
リチャード・メイ・ジュニア在大阪・神戸米国総領事
元外交官としてトークに加わる新美潤学部長- 親しみを込めてビースト(獣)と呼ばれている米国大統領専用車(2台)
通信用のビースト
大阪・神戸米国総領事のビースト
エアーフォースワン(米海兵隊岩国航空基地にて待機)