タイの泰日工業大学に、2025年11月から2026年3月まで交換留学をしている学生からの留学レポートです。
授業について
授業のスタイルは教授が講義するのを学生が学ぶ、日本でよく見られるスタイルだ。教授は専門的な知識を、日本と同様に教科書や、パワーポイントとともにシェアしてくれる。
例えば、英語の授業では、教科書の章のテーマに習い、リーダーに必要な資質について考えた。6グループほどに分かれて4つ単語を考え、その4つのワードを違う英語で間接的に表現し、発表したりしました。この授業は効果的だなと感じました。主体的に動かなくてはならないし、単語を考え、その単語のイメージを違う単語でアウトプットしなくてはならないため、英語学習に効果的だと感じた。
日本の授業との違い
あまり相違は感じない。強いて言えば、英語とタイ語の世界であると言うこと。後は雰囲気がタイ特有の穏やかで、マイペンライ(大丈夫、気にしない、何でもない、平気)サバーイ(心地よい、ゆったり、快適、心にストレスのかかっていない状態)という雰囲気であることだと思う。
これは日本で、人目や規律で心を縛り付けてしまっている現代の人々の心に、必要なことであると同時に、日本に帰っても大切にしたい心がけである。
勉強の難しさ
他言語であるため、授業内容がたとえ日本と同じレベルだったとしても、やはり理解が遅れてしまうため、近くにいる学生に勇気を出して話しかけ、教えてもらったり、自己学習として、日々の授業や会話でわからない単語はメモし、翻訳したりしながら、理解を深めるなどしています。
おすすめの科目
英語の授業だ。先生はオープンマインドで優しいし、留学と言うことで日本語が有効ではない分、日本でする英語学習よりも、より質が高いものだと感じている。この大学で英語の授業をとっている学生達は、インターナショナルスクール出身の学生もおり、英語力が高いため、当たり前に英語が求められる。
食事・交通手段
タイでの食事は、毎食外食文化である。寮の部屋にキッチンがないため、料理ができない。自ら勇気を出して、タイ人しかいないローカル的なご飯屋さんに出向くか、セブンイレブンで購入することが多い。
最近覚えたのだが、タイの配車アプリGrabでは、デリバリーという機能もある。そのため、本当に外に出たくないときは、日本と同様か、それ以上に値段は上がるがデリバリーに頼ることもある。寮から15分、20分ほど歩けば、KFCとMcDonald’sもある。
だが、大きな公道に面しているため、道を渡るのも個人的にはストレスであまり足を運べていない。私の朝ご飯は簡易的にバナナかオレンジを食べているが、それらを入手するためには、15分ほど歩いて、lotus’sというハイパーマーケットに行き、買いだめしている。バナナは日本のものより、香りが強いため、ベランダで保管している。また、このハイパーマーケットで生活用品も購入している。
交通手段は上記で述べたように、Grabという配車アプリかBoltを使っている。時間帯やドライバーの数など、需要と供給によって価格が日々変動するが、日本よりも安価で使えるためとても重宝している。
バンコクの主要部へ出向くには、結構な時間を要するため、メトロも平行して利用している。配車アプリでバイクを頼む場合20分から50分、車だと渋滞に思いっきりはまるため、それ以上が見込まれる。また、メトロ使用する場合、最寄り駅のHua Mak駅に行くには、徒歩30分かかるため、バイクで向かうことが多い。
カルチャーショック
ショックではないが、カルチャーの違いとして、フォークとスプーンで食事を食べるスタイルは個人的に好きだ。また、汁物は器に口をつけて飲むのは、マナー違反らしい。
生活のトラブル
水を毎回買うことがストレスだったため、近くにある給水器を利用し、飲んでいたが、「友人に飲んじゃだめだよ」といわれ、最近ずっとおなかを壊していた原因がわかった。
困ったことの乗り越え方
何事も重く受け止めすぎず、全て経験だと肯定的にとらえること。また、自分の感情を否定せず、尊重すること。
人間関係の広がり
タイの英語クラスのレベルは高いと感じている。英語の授業を選択しているタイ人の多くは、インターナショナルスクール出身の学生も多く、第2言語として染みついている印象がある。そのため、あまりなまりなどのストレスを感じることなく授業を受けられている。
参加しているクラブやイベント
授業内で交流出来る人は限られてくる。そのため、近い将来かるたクラブやバスケットボールクラブへのまずは見学にこぎつきたいなと考えている。
自分の成長を感じる瞬間
日々、新たな選択と対峙し、勇気をだし、自分自身への責任感をもち、新たな選択を選び取る瞬間。毎日の選択の積み重ねが、日本にいるときには自動化されていたものが、留学生活では、新たな選択の連続であると同時に、その選択が生活と満足度のクオリティーにダイレクトに左右される。
なるべく怖くても、自分がわくわくできているのか、新たな可能性、未来が味わえそうなのかということに重点を置き、例え勇気が必要だったとしても、後悔のないよう行動してみること、一歩で良いから行動してみることを心がけている。
これから留学を検討している学生へのメッセージ
留学を決意することは一般的に容易ではないと思います。ですが、「完璧に準備ができてから行こう」と思っていると、いつまで経ってもその日は来ません。実際、私もそうでした。気づいたら飛行機に乗っていたというくらいの勢いで来た留学です。それは、すべて、止まって考えてしまったら、行けなくなってしまうことをわかっていたからからです。今でももちろん、不安はつきまといます。言語の壁、文化の違い、生活の不便さ、日本の当たり前が通用しないことによる戸惑い。でも、そのどれもが“自分の殻を破るきっかけ”になります。
留学先では、毎日が新しい選択の連続で、その選択が自分の生活や満足度を大きく左右します。慣れないことばかりで怖いと思う瞬間もありますが、「わくわくする方」「未来が広がりそうな方」を選んでみると、想像以上の景色が広がっていきます。たとえ失敗しても、それが経験になり、必ずあなたを強く、柔らかくしてくれます。
そして何より、あなた自身の世界や価値観が、大きく広がり豊かになります。語学力だけでなく、人との向き合い方、自分との向き合い方までアップデートされていきます。
留学は、“環境を変える”経験ではなく、“自分を変える”経験です。もし少しでも迷っているなら、その迷いごと飛び込んでみてください。きっと大丈夫です。完璧じゃなくても、怖くてもいい。飛び込んでしまえば、きっと意外となんとかなります。その一歩が、未来の自分を絶対に豊かにするので。



