
私は2024年の10月から2025年3月までシンガポールに留学していました。シンガポールでの日々は英語力の向上だけでなく、さまざまな体験を私にもたらしてくれました。
留学先では、シンガポールのNanyang PolytechnicのBusiness Management学部で現地の生徒とともに授業をうけていました。この学部はビジネスについて学ぶ学部で、私は人的資材とマーケティング、国際的なイベントに関する知識の計3つの授業を履修しました。1学期に出される課題の数は各授業につき約3つで、中間1、中間2、期末といった具合で出されます。授業によっては毎回の授業で小さな課題が出ることもあります。いずれの授業も筆記試験よりもレポート提出やプレゼンといった課題が多かった印象です。
個人とグループ形式の課題の2つに分かれ、特にグループ形式での課題に苦戦しました。個人形式の課題は日本の大学のものと大きな差は無いですが、圧倒的にグループ形式での課題の量が日本より多く、その難易度も高いように感じました。特に難しかったのはグループ内での意思疎通で、自分からメンバーとコミュニケーションを積極的に図らないとグループ全体の評価にも影響があります。さらにグループ課題後には必ずPeer Reviewというメンバー同士で貢献度や課題の完成度をお互いに評価し合う制度があります。もし、この評価が低いと自分の総合評価で大きく減点されてしまうので、仮に英語が苦手だったとしても、とにかくクラスメイトとコミュニケーションを取ることを常に意識しておくことが大切です。
授業ではビジネスに関する専門用語を英語で理解し応用するため予習や復習は欠かせず多くの時間をかけました。どうしても授業についていけないと感じた際は、各クラスにいるPeer Supporterに相談しました。Peer Supporter とは生徒を助けるための現地の学生ボランティアで、授業に関する相談やアドバイスをしてくれる存在です。講師よりも距離が近く気軽に頼ることができます。また、現地の生徒と交流をするきっかけにもなるので、Peer Supporter制度を利用することをおすすめします。
授業以外でも積極的にさまざまなイベントに参加することをおすすめします。例えばクラブ活動です。普段の授業や学校生活に加えてさえらに多くの生徒と交流できます。
私は日本クラブに参加していました。日本文化に興味がある生徒が集まっており、彼らに日本語を教えたりもしました。また、海外の人から見た日本への印象を知る良い機会になりました。他にもさまざまなクラブがあるので、自分の興味や趣味に応じてクラブに参加するとより学校生活を楽しめると思います。
次に、日常生活についてです。5ヶ月間学校が提供する寮で他の留学生たちと生活していました。留学生には同じ大学から来ている学生の他、アジア圏のみならずヨーロッパなど多国籍な面子揃いでした。シンガポール1日ツアーや国際フェアなど留学生同士でも交流を深められる場が多く提供されているので、留学生同士でのコミュニケーションをとるのが不安だという人も大丈夫です。寮の設備に関しては、マンションの一室のような部屋で6人の留学生とともに生活をしました。
キッチンとバス、トイレは共用でベッドルームは3室あり、1部屋を2人で使用します。生活に必要な設備は全てそろっていますし、衛生面は日本と同じくらいの水準で特に問題なく生活できました。
生活費に関しては、月に約4万から6万円ほどです。シンガポールは物価が高い国で有名ですが、工夫次第でお金を節約できます。例えば食費に関してです。毎日の食事を自炊か外食で済ませるかは人それぞれですが、私はよく外食をしていました。シンガポールの至る所にホーカーセンターという食堂のような場所がたくさんあります。そこでは日本食を含めさまざまな種類の食事を約3ドルから食べることができます。
留学する国によっては自炊をしたほうがお金を節約できる場合もありますが、シンガポールの物価や調味料をそろえるといった初期費用を考えると、ホーカーセンターでの食事をおすすめしたいです。留学生は現地の学生に比べて履修できる授業の数が少なく、平日に2日あるいは3日ほど1日中予定がない日があります。このような日をどのように過ごすかどうかも人によってさまざまです。
私の場合はシンガポール中の学生が集まる学生連合のような場所に毎週通っていました。そこで学校外の現地の学生とも交流し、たくさんの友人をつくることができました。また、Meetupという目的に応じたソーシャルイベントに参加できるアプリを通じて現地の人や滞在している日本人とも交流することもできます。SNSを通じて人に会うこと、さらに海外でとなると日本よりも多くの危険が潜んでいることはもちろんですが、シンガポールの治安の良さを鑑みると留学を楽しむための手段のうちの1つとして効果的です。
先述したとおり、留学先ではビジネス関係の科目を履修します。SGSで勉強する分野とは少し違うもののため、混乱することもありました。なので、もしNanyang Polytechnicへの留学を考えている学生がいたら留学前にSGSで事前に経済やビジネスに関する科目を履修しておくと、留学先でもスムーズに学習できると思います。
私は内向的な性格で人と交流すること、ましてや外国語でコミュニケーションをとることなど自分にとって絶対に難しいだろうと感じていました。しかし、そのような自分にとって未知の環境に身を投じたからこそ得られたことがたくさんありました。
特に、自分から人との交流を怖がらず持てるようになったことは自分の中でとても大きな成長だと感じています。英語力に関しては、交流を持つことに積極的になっているうちに自然と身につきました。シンガポールは、1つの国の中に中華系やインド、マレーシアといったさまざまな文化がともに共存している多文化国家です。治安や衛生面も良く、安心して生活することができます。異文化をたくさん体験したい、留学がはじめて、または、留学をしたいけど生活水準が気になるという人に是非おすすめしたい国です。









