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第6回「ホスピタリティ観光セミナー」を開催

[2023年9月12日]

2023年9月5日(火)、鎌倉市、鎌倉市観光協会と多摩大学の3者包括協定に基づき、鎌倉芸術館にて第6回ホスピタリティ観光セミナーを開催いたしました。

今回は株式会社JTB総合研究所地域交流共創部 地域交流戦略チーム 主任研究員の藤田尚希氏を講師にお迎えし、「「持続可能な観光」からオーバーツーリズムを考える」をテーマに講演していただきました。オーバーツーリズムはコロナ禍前からの問題であり、近年、鎌倉および京都などの観光地では再び取り上げられるようになりました。

講演は藤田講師の職歴の紹介から始まり、2003年から2022年までの訪日外客の推移、2019年に観光立国を目指す日本で起きていたこと、新型コロナウイルスが世界的大流行へ拡がり、インバウンドが一時停止したことの説明がありました。そして、アフターコロナの観光振興に向けた観光ビジョンの概念をお話しされました。

さらに、観光客の意識の変化による旅行者のニーズの変化により、マーケティングはデジタル化が主流になりました。そしてアフターコロナの観光戦略の方向性は「地域ならではの高付加価値を「体験」してもらう」こと、すなわち「せっかく旅行するならより価値のある貴重な旅行がしたい」ということになります。
次に地域活性化の核に観光業を位置づけることにより、「観光業の復活」は、観光業が地域のハブ、産業のハブとして地域全体を活性化することに繋がります。そして、旅行者と宿泊施設をつなぐシームレススキームの進化が必要になります。すなわちデジタル活用が基本であり、その上で人対人の交流が付加価値を生み出すようになります。

【講演のまとめ】
① JTB総合研究所はオーバーツーリズムについて、特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が、地域住民や自然環境、景観等に対して受忍限度を超える影響をもたらす、観光客の満足度を著しく低下させるような状況、と定義しています。
② 持続可能な観光(サスティナブルツーリズム)とは、UNWTO(国連世界観光機関)の定義では、訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光のことです。
③ 持続可能な観光は今日の観光振興において柱となる考え方であり、オーバーツーリズムは、持続可能な観光が実現できない状況を意味します。オーバーツーリズムを解決するための手段として、観光DXの整備や受け入れ環境整備(観光推進組織DMOの整備)等について詳細に説明していただきました。

後援:鎌倉市、鎌倉市観光協会、鎌倉商工会議所

  • 藤田尚希講師 自己紹介
    藤田尚希講師 自己紹介
  • 藤田尚希講師の講演
    藤田尚希講師の講演
 

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