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株式会社 多摩養蜂園 訪問

株式会社 多摩養蜂園 代表取締役 塩原英二さん

■取材日:2016.5.10 ■取材・レポート:阿部慎吾(経営情報学部)・中村恒太(経営情報学部)

2016年5月10日、稲城市にある多摩養蜂園さんに取材を行った。 多摩養蜂園の塩原さんの家は大家族で有名であり、テレビにも多く出演されている。この取材で蜂蜜やミツバチについて多くのことを学ぶことができた。

普段、蜂蜜が売られているのは見かけるが、どのように蜂蜜が作られているのかはほんの一部しか知らなかった。蜂蜜はミツバチと花が大きく関係してくることは知っていたが、ミツバチの活動時期やミツバチごとの役割など詳しいことは何も知らず、この取材を通して蜂蜜に関して詳しくなることができたと思う。また、花に関しても花の色や構造についてまで考えたことはなかったため、多くの発見や驚きがあった。

ミツバチは2月下旬から9月下旬に活動する。寒すぎるとミツバチは活動できないからである。私は赤道近くの熱い地域ならミツバチがずっと活動することができ、おいしい果物や蜂蜜をずっと作ることができるのではないかという疑問を持って聞いてみた。

塩原さんが言うには熱い地域は美味しい蜂蜜ができない、それは花に蜜が少ないことや花の蜜に栄養が詰まっていないから。蜂蜜を作る場所の理想は寒暖差が激しい地域だそうだ。果物で有名な山梨や長野は盆地で夏は暑く、冬は寒い。このように地域で蜂蜜の出来が違うことや味が変わるということは知らなかった。花は赤や黄色など様々な色があり、どの花も鮮やかである。実は花の色はミツバチに来てもらうための色であるという。ファッションとして色物を身につけるという行為と同じだとおっしゃっていた。花の色が鮮やかな方がミツバチの気を引き、蜜を吸いに来ることで、受粉しやすくするためとのこと。また、ミツバチ側も花の蜜をすいたいため、win-winの関係ができているという。

稲城で行われる「れんげ祭り」、周辺の中学・高等学校で関わっている養蜂部などの話もしていただいた。れんげ祭りでは養蜂部も活動し、地域の人たちとの交流も行っており、蜂蜜づくりも体験できるイベントだとおっしゃっていた。塩原さんは養蜂を通じて中高生に部員が一つになることを伝える活動に取り組んでいること、また地域とのかかわりなどを大切にしていることが分かった。養蜂部の活動で、チームワークや協力することの大切さを学ばせたいと塩原さんはおっしゃっていた。また、養蜂を通じて社会に出ることで普段の学校生活で得ることができない経験を得ることもできるため、生徒たちのために外部顧問を引き受けている。塩原さんは若者に対して養蜂を通じて、社会に出たときに大切なことを伝えているのだと思った。

一見、無口で強面のお父さんのような方だが、取材を始めると多くの話を聞かせて頂いた。塩原さんの仕事に対する思い、若者に対しても可能性を感じており、養蜂を通じて様々なことを伝えようとしていることが分かった。さらに様々なイベントに参加することで地域間交流や地域貢献に繋がってくる。また、中学・高等学校の教育にも協力しており、家族を大切にしている魅力的な人だと感じた。

塩原さんを取材して学んだことは、今までは物事の見方が一方的で、見ていたとしてもほんの一部しか見ることができていなかった。モノやことには様々な理由や裏付けがあり、それぞれストーリーがある。塩原さんの話を聞いて、身近な自然や物事に対してもっと真摯に向き合い、深く考える姿勢を持ちたいと思った。

(阿部慎吾)


多摩養蜂園では19種類のはちみつを販売されており、普段スーパーなどでは見たことない種類の蜂蜜が豊富にありました。

今回インタビューさせていただいて分かったこと
・ミツバチは、花から蜜を吸ってきているだけでなく、木、草からも蜜を吸っている。また、吸ってきた蜜は他の蜂に渡し合っており、その際に体内にあるカルシウムや花粉、類パロチンという成分が混ざり、それを体温で温めていることにより発酵する。蜂蜜は発酵食品であり、日光に当たっても腐らない。
・ミツバチの活動期間
寒すぎるとミツバチは活動しなくなってしまい、活動しているのは2月下旬から9月下旬で、気温が15度ぐらいになると活動し始める。
・花に色がついている理由
昆虫や鳥を引き寄せて受粉が出来るようにするためである。
・ミツバチが生活している養蜂箱には約4万匹のミツバチが入っていて、働いている蜂はすべてメス、ミツバチの入っている養蜂箱の重さは一つ40キロある。

社長の塩原さんは、養蜂部のある中学、高校に外部顧問として指導されており、部活の良さとは、目的を一つにして行動することができ、友達を増やせる集いの場になっていることだと言われておりました。また、養蜂部の活動での利点は飼育→生産→製造→販売を自分たちで行い、一つの食品が世の中に作りだされ販売し、お金になって戻ってくることを実体験できることが養蜂部の利点。

ミツバチがいることにより自然の森が豊かになり、農作物は人がしなくても受粉をしてくれることにより豊富にできると話されました。

(2年 中村恒太)



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