専門の枠を越えてタッグを組んだ教授陣によるゼミナールや、クリエイティビティ溢れる一般教養など、経営情報学部にはユニークな授業が溢れています。本来、勉強とは人からやらされるのではなく、積極的に楽しむものでした。
知的欲求を満たす新鮮な楽しさ。高校時代とは違う学びの楽しさを感じてください。
杉田 経営という学問自体が想像できないという人は意外と多いかもしれません。そこで本学では、1年後期の「経営基礎Ⅱ」で経営を実体験できるようになっています。
出原 前期で学んだ理論を「多摩大式経済経営シミュレータ」という仮想のオンラインショッピングサイト上で実際に運用していきます。学生自身が、生産者として企業立ち上げから商品製造、市場での売買をし、期末には株主総会と呼ばれる報告会で決算報告をします。また、一消費者として商品の購入もします。顧客が自分たちですから、この商品を出せば売れるという正解がないんですよ。消費者感覚で大きく変動するので、実際の市場もいかに生モノであるかを実感できるかと思います。

杉田 この授業は、経営系の私と情報系の出原先生のほか、経営と情報の教授がタッグを組んで担当する、本学部ならではの授業です。私たちは、この授業を通して、社会に通用する能動的な学習力と行動力を身につけてほしいと考えています。だからこそ、受け手から送り手になることで、商品にどれだけ労力がかかっているか知ってもらいたい。適切な利益を受け取って自分たちを食べさせ、社会に貢献するのが企業活動です。それに近い体験を元に能動性が育ってくれたらと思います。
出原 最初はみんな消費者視点なんですよ。商品評価をさせても、面白いかつまらないという感想しかない。それが次第に、文句を言うだけではだめだと自覚し始めるんです。社会に対し言葉を発する力がつくのでしょうね。
杉田 多摩大が目指すのは、物事を総合的に理解し判断できる人間を育てることです。ですが、従来の経営学では、経営戦略や組織論などを学生自身が総合して理解する必要がありました。シミュレーターを導入したのは、その個人差をなくして社会と経営の関係を総合的に体験できるようにとの思いもあったのです。
出原 ちなみに、システムは常に動いていますから、企業の中には週末にバーゲンセールをするところもあるんですよ。授業の枠を超えた活動になるのも特徴の一つです。
杉田 他業種を集めて統一ブランドを作ったり、広告用ウェブサイトを作ったりと、面白くなるとさまざまなアイデアが出てくる。親と会社経営について話す機会ができたと話す学生もいて、それは嬉しかったですね。出原 ルールはすべて実社会に準じています。ですから逆に、財務上のインチキなどは厳しく処罰されます。システム上で歯止めをかけるのは簡単ですが、それはしません。なぜなら、私たちは自分で考えるプロセスを重要視しているからなんです。その意味で、人道面や精神面も考慮してシステムを調整できるのは、オリジナルならではだと思います。
左)「多摩大式経済経営シュミレータ」の操作画面。学生が考案した個性的な製品がシュミレータの中で売り買いされる。
右)それぞれの会社の収支や経営状況はいつでも確認ができ、健全な経営をしている会社かどうかを学生自身が判断する。
杉田 大切なのは、企業を大きくできたかどうかというより、どんな活動を通じて何をしたいかというポリシーいわば志です。自分でポリシーを定義し、そこにある価値を目指してほしい。授業でうまく行かなくてもかまいません。まずはその大切さを学んでください。人は生まれる時代や国は選べませんが、周囲の環境や自分は変えることができます。それができれば、やりたい事もできるし人生の充実感も得られるはず。この授業を通して、そのきっかけを掴んでほしいですね。